かね折れ階段とは【途中で90度向きを変える階段】
少し変則的ですが、はじまりにいきなり90度向きを変えるこのタイプをよく現場でみかけます。メリットとしては『床面積が狭い場合に有効』!まっすぐ上る直階段と違い、初めに向きをかえるのでコーナーから始めることができ、リビング階段によく使用されています。この図ははじめ2段で90度に曲がりますが、3段でまがったり、1段前に出して2〜4段目で曲がったり、間取りと用途によって様々なパターンがあります。
実際の写真を少しご覧ください。
階段部分が全面吹き抜けになったタイプは、リビング空間を広げ開放感を与えてくれます。
全面吹き抜けにしないコストを考えたタイプ。本来壁でも良い所を少しでも吹き抜けにする事で1〜2階のつながりをつくり空間を広げます。
今日お話ししたい事は4段目辺りからアイアン手摺が始まる場合、どのような事に注意し工夫しているかをわかって頂くために先に見て頂きました。手すりの高さ以外の要素もおりまぜてお話しいたします。
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《4段目の高さ》
まず注意したい事は4段目の高さからでも落下すると怖い!事です。特に1〜3段目が90度曲がる場合には根本部分の階段面積が狭く滑り落ちる危険もあります。かね折れ階段はリビング階段として適していますし、コーナーから階段を始められるメリットがありますが、特に階段吹き抜けにする場合は注意すべき点です。
まずその部分を意識して、左のスペースを出来るだけ空けないようにします。ただ、あまり前にもってくると滑り止めの溝にアイアンがかかるのでオシャレ度がさがりますし、壁〜てすりの幅が狭くなる事での圧迫感と見た目のバランスが悪くなるので、4段目の先から6〜8㎝程度空けてアイアン手摺をスタートさせています。
《状況に応じた高さ》
このお客様はとにかく「シンプル」にしたい!それがイコール高さを低く。と言うふうに考えておられました。通常階段吹き抜け部のアイアン手摺はH800〜900程度が多く、長い階段手摺になるとそれだけアイアン部分が増えると言う事ですから、多く開放感が得られるものの落下の恐怖は大きくなります。この落下の恐怖は、実際高所恐怖症でなくても下をみると怖い!そう言うものだと考えています。それを出来るだけ解消するために、高さをH900で作り圧迫感を増やして怖さを減らします。
ですがこのお客様の場合には梁が上にあるんです!4段目〜梁までおおよそ180㎝あり背の高い人であれば4段目に立った時頭周辺に梁がきます。背が低い人でも5段6段と上がると梁がきます。こうなると逆に体感的な恐怖心が梁によって和らぐんです。ですのでH900の手摺作ってしまうと、梁と合わさって圧迫感が出てくるんです。
今回は梁へも固定するため、見た目のプロポーションを考えH750で制作しました。逆に75㎝以下は手すりとしては低くなってくるため普段はあまりおすすめませんが、状況に応じて低い手摺を作る事もあります。上記に右はお客様のご希望で作成したH700バージョンですが、実際は真ん中のH750で制作しました。
《プロポーション》
散々怖さを語ってきましたが、アイアン手摺をオシャレだからつけたい!が本来のアイアンの形。美しいプロポーションのアイアン手すりが欲しいですよね!長年アイアンを作ってきて、お客様のご希望はもちろんお聞きし反映する努力を致しますが、私が知っている知識は全てお話しいたします。出来るだけお話しさせていただいてより良いものが出来るよう、長年使い続けられるものを目指しております。
追記〜「基本的に毎日アイアン手すり〜スチール手摺〜オーダー手すり。。とてすりてすりてすりと考えているので、どんなことでもベストなてすりをつくります!!笑」