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アイアン手すりの小さな工夫“ちょこっとカスタム”

昔は珍しかった住居内のアイアン製品も、今では多様なデザインで製品化されています。

作り手も、私たちのような小さな工房から大手メーカーさんまで、ここ10年でとても増えました。その中から、デザインや、できること・できないことなど比べるだけでも大変です。

そこで今回は、“ちょこっとカスタム”と題して、私たちが普段から行なっている加工についてご紹介したいと思います。(無料のものや、費用がかかったりお安くなったりすることもあります)

はな工房の手すりは

「スタンダードなオーダーでも自由な部分が多い」のが特徴です。

・もう少しシャープな印象にしたいな、、
・この部分は邪魔だな、、
・ここに穴があればいいのに、、
・この場所だと取り付けできないかも、、

そんなお悩みの参考にしていただければと思います。

そもそもスタンダードなオーダーとは

はな工房のオーダーの種類は大きくわけて4つあります。

1、スタンダードオーダー

ラインナップからお選びいただく標準的なプランです。
ほとんどのご注文がこのプランで、設置場所にあわせて加工し、お届けしてます。

2、セミオーダーメイド

ラインナップのデザインを組み合わせるプランで、シンプルなデザインにステンドグラスをプラスしたり、2つのデザインを掛け合わせたりすることができます。標準価格に加え、セミオーダー分の費用がかかります。

3、フルオーダーメイド

お客様のイメージに合わせて一からデザインを作り上げていくプランです。イメージ画像やスケッチを元に、当工房のデザイナーがお客様の想いをカタチにするお手伝いをします。デザインによって費用が異なりますので、ご予算も伺いながらのお打ち合わせになります。

4、WEBSHOP

人気のある玄関手すりを販売しているウェブショップで、在庫があればすぐにお届けOK、送料・税込でお買い得となっています。

というわけで、今回は1〜3、どのオーダーでも採用できるちょこっとカスタム特集です。それではどうぞ!

1、中桟の位置を変える(フラットバーデザインのみ)

デザイン別中桟位置比較

まずは、中桟の位置の調整から。
フラットバーデザインは中桟の位置によって印象が変化します。

※これは正直なところカスタムとは呼ばず標準仕様内ですが、他のメーカーさんでは変更できないこともあると聞いたことがあるので、念の為ご紹介しました。

中桟が1本のフラットバーシングルでは、よりシャープでスタイリッシュにしたいと中桟を少し上にされる方が多い印象です。

ほかにも、しばらくネットを張っておきたいから足元にも桟が欲しいという方や、階段と吹き抜けのデザインのバランスを見て中桟の本数を変える方もいらっしゃいます。

中桟位置の調整は無料です。

*横桟をプラスして4本や5本にもできます (追加費用あり)。

フラットバーシングルの中桟位置比較
すべてフラットバーシングル(中桟1本)

2、穴をあける

アイアン手すりにネットがはりやすい工夫

こちらは必要なところに穴を開ける加工です。

写真のお客様はネットを張りたいので固定用の穴が欲しいというご希望でした。

ほかにも、笠木を木材するためビス固定できる穴を開けておいたりなど、ご要望に応じて柔軟に対応いたします。穴の数が多くなると少し費用がかかる場合もありますが、基本的には無料です。

3、スタート部分のデザインを変える

ロートアイアンのスタート部分のカスタム

階段用手すりの装飾・ステンドグラスタイプについているスタートのくるっとした曲線部分を変えることができます。

お客様のご要望で少し変化させる場合もあれば、空間の雰囲気でこちらからご提案することもあります。

写真は一番左が標準タイプ。

真ん中は先端のくるっとした部分を極力抑えたいというご希望で自然な仕上がりに。

右は標準より大きめにふんわりさせたいというご希望でした。

ほかに、短くしたりスタート自体をなくしたりすることもあります。

*この加工は無料でお受けできることも、少し費用がかかる場合もあります。また、スタート部分を無しにすると、その分費用はお安くなります。

4、留め具の位置や形①

アイアン手すりの留め具位置や形の変更①

左の写真は、柱と手すりを同じ高さにするため、留め具を少し下へずらしたケースです。(標準の留め具だと)

右の写真は、右側に壁がなく、足元も止める場所がなかったので梁の側面に取り付けられるよう加工しました。

いろんな間取りに合わせて安全かつ美しく取り付けられるようにデザインチームと製作チーム双方の意見を取り入れながらご提案しています。

*どちらのケースも少し加工費用を頂いています。

5、留め具の位置や形②

アイアン手すりの留め具位置や形の変更②

標準的な留め具では取り付けが難しい場合はこちら。

左側は足元の留め具を90°回転+長めにして、取り付けやすさも考慮しました。

右側も同じく足元の留め具を90°回転。60mm幅の側板に固定しました。さらに、天井へは取り付けできなかったので、留め具を側面に取り付けて壁へ固定できるようにしました。

(左の手すりは新たに留め具を作ったので、少し加工費をいただきました。右のケースでは足元は向きを変えただけなので無料、壁留め部分は少し加工費をいただいています。)

6、柱の追加や補強

アイアン手すりに部材の追加と補強方法

左の写真は柱を4本追加して、格子状のデザインに。出来るだけ落下の危険を減らしたいけれど、縦格子はお好みでなかったそうで、柱の追加でご希望通りの手すりになりました。追加した柱の分、費用をいただいています。

右の写真は全体が写っていないので分かりにくですが、段数の多い長い手すりで補強が取れなかったので、足元の固定+側板への固定で強度アップしたケースです。14段の手すりだったので補強費用も含まれています。施工例にて全体写真や詳しい部分をご紹介しています。→【施工例】

*標準の補強が書かれているブログ記事です。

↑強度が心配な方はご覧ください。

7、笠木の斜め加工

スチール手摺の形を三角に加工

こちらは主に吹き抜け用手すりの笠木を斜めにカスタムする加工です。

  • 左:オープン階段があって取り付けられないため、側板に合わせて斜めに。
  • 中:建築基準法の絡みで、どうしても斜めにして階段手すりとしての用途が必要だったため。
  • 右:ロフトへ荷物を運ぶ際に腕が当たりそうだったため。

同じように見えてもお客様によってそれぞれ違う理由がありました。(こちらは少し費用が高くなる場合があります。)

8、2種類の手すりを一体化する

2種類のスチール手摺を合体!

この2件の手すりは一見「フルオーダー?」と思われるかもしれませんが、【左:階段手すりと縦型手すりが合体しただけ】【右:4段手すりと4段手すりが合体しただけ】なんです。

私たち目線では、ちょこっとではなく結構なカスタムと言えるくらい難しい加工なので、費用も他に比べて高くなる傾向にあります。

9、笠木だけを伸ばして開口を作る

お客様のご要望でアイアンフェンスに開口を作る

2階からポールで降りたい!

そんな希望を叶えた手すりがこちら。左側手前の太いポールで1階へ降りたいというご希望であえて開口部を設けました。もし興味をもたれた方がいらっしゃいましたら、建築基準法などの絡みがあるそうなので、工務店さんともご相談くださいね♪(当然ですが、こちらは逆に価格が下がりました)

10、番外編

壁付け手すりの留め具を入れ替える!

最後に、こちらは壁の留め具を丸から四角へ変えたケースです。出来るだけスッキリみせたいというご要望でした。

どちらかというとセミオーダー(デザインの掛け合わせ)かな?とも思いましたが、留め具を変更しただけと考えると、ちょこっとカスタムかな?と思い最後にご紹介しました。手すりと留め具を繋げる部分に工夫が必要なので加工費をいただいたのですが、2件ともとっても喜んで頂けましたよ!

というわけで、結構自由なんです

今回紹介した10項目はあくまでも一例です。

すべての手すりを一から製作していますので、言ってしまえばすべての手すりがオーダーメイド!

なるべくわかりやすいように、お選びいただきやすいようにと、スタンダードオーダーやデザインを設定しています。

毎日手すりのことばっかり考えていますので、これまでの経験からメリットデメリットをお伝えしたり、解決策をご提案したりと、細やかな工夫が詰まったアイアン手すりをお届けできるのが、私たちの強みかなと思っています。気になることは、どうぞお気軽にお尋ねくださいね。

せっかくアイアンにしたのになんか違うな、、残念だったな、、と後悔される方が少しでも減りますように。

アイアンとの暮らしのコツをこれからもお届けしていきます!

お問い合わせ

疑問や不安な点、費用のご相談など些細なことでも結構ですので、どうぞお気軽にお問合せください。ご希望をカタチにするお手伝いができましたら幸いです。