
福井県よりグレージュカラーのフラットバー手すり4段のご注文を頂きました!
今回は1段目から設置せず、2段目から始まる4段の階段。1階FLから5段目までの高さが1m以下なので、建築基準法として手すりが必要ない高さになる為、お家を建てられた後も必要かどうか沢山悩まれていたそうです。そして実際に新しいお家で生活して手すりをご注文頂きました。


ただお引渡し後にご注文頂く際の問題は”採寸”です!はな工房が現地へお伺い出来ない距離の為、お客様ご自身で採寸されました。さらに採寸の道具をお持ちでない為、色々アドバイスをさせて頂きなんとかキッチリした寸法を出す事が出来たんです。
個人のお客様がご注文頂く際に【はな工房で採寸に伺う】【お家を建てられている工務店さんに採寸してもらう】が出来ず【ご自身で採寸する】しかないお客様も多々おられると思いますので、簡単に今回どのように4段の手すりを採寸したかご説明します!


基本的に採寸はアイアンの柱が立つ段(今回の場合は2段目・5段目)の段の先〜段の先までの【高さ・幅】を測ります。1段1段測って合計される方もおられますが、階段のコケがある場合は正確な寸法が出てきません。はな工房で採寸する時は《高さ:レベル》《幅:下げ振り》を使用して採寸します。(レーザーで採寸される方もおられます。)ですが道具がないお客様は”1階FL〜2段目”FL〜5段目”をメジャーで測り引き算して高さを出し、“壁〜2段目の先”壁〜5段目の先”をメジャーで測り引き算して幅を出しました。当然壁・FLの垂直水平が出ていなければ正確ではありませんが、まずはこの方法で【高さ:562㎜ / 幅:687.5㎜】と言う数字が出ました。
その次にこの562・687.5を直角三角形の計算式に当てはめて計算での斜め寸法を出します。(計算式は調べていただくと沢山出てきます!)四捨五入して888㎜と言う数字が出てきました!その数字を元に、実際に2段目先〜5段目先までの斜め寸法をメジャーで測ります。この数値が同じになれば、きちんと直角に高さ・幅が採寸できているという裏付けになります。お客様に測って頂くと、びっくりするほどピッタリでした!
ですが念には念を重ね、2・3・4・5段目を1段づつ測って頂き、その数値も参考にしました。さらに数ミリの誤差が出ても取り付けられるよう留め具の下に入れるスペンサー(調整シム)も何枚かおつけしました。


後は残りの5段目から壁までや、既存の壁用手すりと高さを合わせるよう他の部分も測って頂き、採寸の完成です!こんなにキッチリ寸法が出る事は珍しいので、階段回りをされた大工さんの腕とお客様の細やかな採寸があっての事だと思います!!(ちなみに、壁用手すりと高さを合わす所は、天端合わせをしてしまうと厚みが違ってキレイな流れにならない為、少しだけアイアン手摺を低くして制作しました。)
発送後お客様より「この度は階段手すりを作成いただきありがとうございました。先日、無事に工務店に取り付けていただくことができました。調整シムを一切使うことなく、完璧にフィットしました。素晴らしい工作精度ですし、そこに至るまでの素人採寸に対する的確なアドバイスにも、心より感謝いたします。グレージュはとても良い色で、妻も満足していますし、おかげさまで身重な体でも安全に登り降りできています。ありがとうございました。」と嬉しいメッセージとお写真を頂きました。



いつも思う事ですが、お客様が頑張りがなければ良い手すりを作る事が出来ません。今回はキッチリ採寸・細やかなご連絡のやり取りがあったからこそキレイな手すりが完成したんです!グレーのクロスやベージュの建具、少し色味が薄めの踏み板に木材を加工した壁手すり、そしてそこにグレージュのアイアン手すり。言う事なしにピッタリです!諦めずご注文頂きまして本当に有難うございました。