白って２００色あんねん。
アンミカさんでお馴染みのこのフレーズですが、この２００色の白の中には、いわゆるオフホワイトだったり青みのある白だったり、”白にほんのり色味があるけれど、ぱっと見では白く感じる色” を広く含んでおられるのだと思います。
インテリアにおける白も、まっしろというのはあまり見かけません。
少し色味があったり、質感によって感じ方が違ったり、照明や光の作用で、、とさまざまな要素が絡み合っているようです。
では、はな工房の定番カラーである白はというと、
白も白、カラーコードでいうところの#ffffff、日塗工番号「N-95」、
色味のないまっしろにあたります。
今回は、そんな真っ白なアイアン手すりが
モダンなお家ではシャープに、ナチュラルなテイストではやさしく、時には全体のまとめ役として調和している様子を、これまでの事例をもとにご紹介したいと思います。
実はどんな空間にも寄り添える万能な色、白。
写真の違いを見比べながら、あなたの家に合う“白の表情”を見つけてもらえたら嬉しいです。
統一感のある白い階段室
白い手すりが選ばれる理由のなかで特に多いのが、手すりっぽさに関することです。
「手すりがメカメカしくて嫌」
「手すりが必要ではあるけれど存在感を抑えたい」
そんな方へは白がおすすめ。
こちらの事例では、細めのフォルムとの相乗効果も加わって、手すりっぽさが軽減され、透明感のある静かな美しさが生まれていますよね。
装飾デザイン×白で高級感とやわらかさをプラス
床は大理石調のグレーで、階段の踏み板は淡い色味の木目。一見すると無機質で少し冷たい印象になりがちな素材の組み合わせですが、この空間は気品と高級感に溢れています。
その理由のひとつが、白いロートアイアン調の装飾手すりと、緩やかな曲線を描く壁手すり。直線が多い玄関ホールに、やわらかなラインが加わることで、空間全体が落ち着きつつも華やかな印象に仕上がっています。白いアイアンは重たくならず、光を受けたときの影も美しく、大理石調の床との相性がとても良い組み合わせです。
「無機質 × 装飾」のバランスが取れた、上品でクラシックな雰囲気を演出してくれる手すりだと思います。
木×グレー×白のモダンなエントランス
こちらはホテルライクなエントランスにぴったりのストレート手すり。
直線でデザインされた空間は、凛とした空気感があって素敵ですよね。
このようなスタイルは“モノトーンモダン”や“グレーモダン”とも呼ばれ、白やグレーを基調としたスタイルです。空間において壁が占める割合は大きいため、壁の色味との相性は慎重に考えたいところ。
白い壁×黒い手すりは重厚感も併せ持つシャープな空間に、白い壁×白い手すりは主張は控えめだけれども凛とした佇まいで洗練された印象になるイメージです。
このお家は框の側面がダークな色目なので黒でも違和感はありませんが、重厚感が出るので印象は全く異なっていたと思います。エントランスはそれぞれのお家のイメージを印象付ける大切な空間。白い手すりもその一助となれたなら嬉しい限りです。
＊同じような空間で、グレージュの玄関手すりを取り付けられたお客様の事例はこちら
↑ベージュを基調とした空間。よければこちらもご覧ください。
ナチュラルな北欧スタイルのまとめ役
フローリングの柔らかい木目と、白い壁の明るさが気持ちいいナチュラル空間。そこに白いアイアン手すりを合わせると、空間の雰囲気を壊さずに“軽さ”と“抜け感”がしっかり出ます。
こちらの事例では細めのフラットバー手摺で中桟を高めにデザインすることで、木の温かさを引き立てながら、スマートな印象に。階段周りがスッキリと広く見えますね。
ナチュラルな空間は時に単調に感じられることもありますが、白いアイアン手すりはその中間に入って“バランスを整える役”をしてくれます。
アイボリーとグレージュとも異なるホワイトの爽やかさが、北欧風のペンダントライトとも相性抜群！手すりが主張しすぎず、空間を優しくまとめてくれて、軽やで明るい階段に仕上がりました。
軽さと上品さをプラスして明るく心地よい空間に
さて、こちらは抜群の抜け感を演出してくれた白い吹き抜け手すりです。
天井の木目やブラウンの床がしっかり存在感を持つこの家でも、白い手すりなら壁などの明るさと自然に溶け込み、手すりそのものが“背景の一部”になるような軽やかな印象を与えてくれます。
もし同じデザインで黒い手すりだったら、木の深みと黒の直線が強いコントラストを生んで、空間はぐっと「モダン」「スタイリッシュ」寄りに引き締まるでしょう。以前はこのような空間であれば黒いスチール手摺を求める方がほとんどでした。
黒は黒でカッコいい！けど、重さや存在感が強くなりがちなんです。対して、白い手すりは木の暖かさや自然のぬくもりを壊さず、なおかつ空間を重くせずに整えてくれる。「ナチュラル」な雰囲気そのままに、ちょっと“軽さ”と“上品さ”をプラスできます。
今回のお家のように、深みのある木目があっても重くなりすぎず、明るく心地よい空間に仕上げたいなら、白いアイアン手すりもおすすめです。
爽やかな抜け感で明るい吹き抜け空間に
もう白い手すりの効果は十分に伝わってきたかと思いますが、こちらは大空間の吹き抜けバージョンです。インテリアスタイルはふんわり明るいナチュラルテイスト。
そこに白いアイアン手すりを合わせると、木のぬくもりをそのまま残しながら、軽さと清潔感だけをすっと足してくれます。
リビング階段で、2階天井まで一気に抜けているので、視線が上に広がって空間がとにかく“のびる”。そこへ白い手すりが入ると、光をやさしく反射して開放感がさらにアップします。
白は壁にも木にも自然に溶け込むので、階段まわりが重くならず、“広さ・明るさ・抜け感”が素直にそのまま感じられる。このようなリビング階段で吹抜けにはピッタリのカラーです！
白とアイボリーで悩んだ末に…
白が選択肢にあるお客様では、アイボリーと悩まれる方も多くいらっしゃいます。
木目に寄せるならアイボリー、建具と合わせるならホワイトだな、、。汚れやすさでいえばアイボリーの方が目立ちにくいかもしれないな、、と悩んでおられたNさま。採寸に伺ったときにはカラーサンプルを壁にあてて、ずいぶんと考えたあと、白をセレクトされていました。
もしアイボリーだったら、、
やわらかさや温かみが生まれて、白とはまた違った空間になっていたのではと思います。
今回は、やわらかい光・明るい木目・白いクロスに、白い手すりが加わることで軽やかさと透明感がプラスされ、見た目も動線もスッキリまとまる仕上がりに。
窓から入る自然光とも相性が抜群で、光がきれいに階段まで届き、溶け込んでいますよね。Nさまにも大変喜んでいただけました。
白い階段室×白い手すりで空間を広げて
このお家の注目ポイントは、床と階段の色分けです。この階段の配置だと、キッチンから奥のお手洗いにに行くまでに階段を少し回り込む動線になります。
もし階段の踏み板が床と同じブラウンだったとしたら？
アイアン手すりが黒だったとしたら？
階段の存在感が大きく、キッチンとトイレの間がもっと狭く感じられたのではと思います。
カラー選びでうまく空間の広がりを生み出せた事例ではないでしょうか。
トイレの扉を開けたときにおしゃれな星形照明の光が溢れてきて、ほんのり優しく・温かい雰囲気を作ってくれるのも、白い階段と白い手すりだからこそ。どこか落ち着きと可愛らしさが共存する一例でした。
スタイルに合わせたカラーリングで
こちらはお子様（お姉ちゃんと弟くん）それぞれのお部屋にあるロフト空間へ手すり製作依頼でした。お姉ちゃんのお部屋は白を基調としたクリアで透明感のあるホワイトインテリア。弟くんのお部屋はグレーの手すりでクールなスタイルに。
ロフトは天井が低く光が届きにくいので閉塞感が出やすいのですが、このお部屋は白をベースとしながらもアクセントウォールなどで変化があるおかげで、単調さもなくさわやかな空間になっています。
当初はロフト手すりのみのご相談でしたが、どうせならとはしごの取手部分も白に塗って統一感を出しました。細かいところを揃えてあげると空間がより一層洗練されたように感じられます。
また、吹き抜けから光がきれいに入ってきて、その光を邪魔しないのも白い手すりの良さです。影が強く出ないから、ロフト下の空間まで自然に明るさが届きます。「安全性はしっかり、でも広く見せたい」という方には、白くてシンプルなフラットバー手すりがピッタリです！
ステンドグラス×白で心踊るスキップフロアに
最後にご紹介するのはステンドグラスとのコラボレーション。
ベースはホワイトを基調としたナチュラルテイストお部屋で、大人の目線の高さくらいの位置にスキップフロアがある間取りです。
小さなお子様のために縦格子をご希望されていたのですが、ホワイトカラーがもつ抜け感や空間の広がりが一役も二役も買っていますよね♪ 黒だとこうはいきません。
ステンドの彩りが白との組み合わせでより一層輝いて見えました。
透明感、軽さ、明るさ、広がりを生み出すのが得意
白いアイアン手すりは、ただ「目立たない色」なのではなく、
空間の雰囲気や素材、光の入り方に寄り添いながら、全体をそっと整えてくれる存在だと、これまでの事例から改めて感じます。
モダンな家ではシャープに、ナチュラルな空間ではやさしく。
主張しすぎず、それでいて確かな輪郭をつくってくれる白は、
実はとても表情豊かで、頼もしい色なのかもしれません。
「黒ほど強くしたくない」「でも、きちんと美しく見せたい」
そんなとき、白いアイアン手すりという選択肢が、
住まいづくりのヒントになれば嬉しいです。
＊他の色をまとめて紹介したブログ記事です！よければ合わせてご覧ください。
↑現在はピンクベージュも追加されて6色をお選びいただけます。
