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壁付けアイアン手すりの高さの考えかた
壁付け手すりの高さの考え方

こんにちは!はな工房です。

「アイアン手すり」「スチール手すり」と聞くと、多くの方がまず思い浮かべるのは「階段の腰壁の代わり取り付ける手すり」や「吹き抜けに設置する手すり」ではないでしょうか?でも実は、アイアンに限らず一般的な住宅で一番多く使われているのは「壁に取り付ける壁付け手すり」なんです!

今回はそんな壁付け手すりの高さについて詳しくまとめたいと思います。それではどうぞ!

■ 壁付け手すりは使いやすさを意識して

階段手すりと壁付け手すりでは、用途に少し違いがあります。

・階段用手すり:階段の壁がない場合などに吹き抜けている部分の踏み板へ取り付けるタイプ。落下を防ぐ役割も兼ねています。

・壁付け手すり:階段室の壁に取り付けるタイプ。上り下りの際に手を添えるために使います。

どちらも似たような高さでいいのでは?と思いがちですが、落下防止も兼ねる階段用は少し高めに、壁用は使いやすさを優先した高さにするのがポイントです。

高さは段鼻を基準に

階段手摺の高さは段鼻から測る!

階段は勾配があるため、高さを測る位置を揃える必要があります。

基準点は段鼻。そこから垂直に伸ばした線で高さを考えていきます。

一般的な壁付け手すりの高さ設定

壁付け手すりの適正高さとは?
壁付け手すりの高さ

高さに明確なルールはないのですが、一般的には【大人:750〜850mm】【子ども:600〜650mm】が適正とされています。

写真の白い手すりは、直径約35mmの既製品です。手すりの芯(中心)で高さ750mm(H750)、手すりの天端(赤い斜線部分)で約780mm弱の高さで取り付けられているのをよく見かけます。

ちなみに、身長約170cmの私が日常的に使いやすいと感じるのは、750〜780mmくらい。もちろん、使い勝手は身長や好みによって変わりますし、最初は「ちょっと使いにくいかも?」と思っても、慣れればしっくりくることも多いです。

余談ですが、以前、身長の高いご夫婦のお宅で手すりの高さを測ったところ、850mmで設置されていて「しっかり考えられているな〜!」と感心したことがありました。

勾配が変化するコーナー部分の考えかた

回り階段へ取り付ける壁用アイアン手すり
180度まわる、まわり階段
かね折れ階段へ取り付けるフラットバー手摺
90度まがる、かね折れ階段

いくつかある階段の形状の中でも ”回り階段””かね折れ階段” には、コーナーがあります。

平面図で見るとわかりやすいのですが、どちらも途中の水色の部分で踏み板のかたちが三角形になることで、勾配(階段の急さ)が変則的になるんですね。

勾配どおりに手すりを設置するとカクカクしてしまいますので、このようなケースではどこを基準に考えるのか、展開図でみてみましょう。(寸法は仮の数字になります。)

回り階段へ取り付ける手すりの墨打ち
かね折れ階段へ壁付け手すりを取り付ける為の墨打ち

赤い線が直線部分、青い部分がコーナー部分です。
左のケースでは5段目段鼻から11段目段鼻を、右は3段目から6段目を直線で結びます。これがまわるときのベースの考え方となるのですが、、

実際には手すりが壁から少し離れていますので、ここからその分を差し引いて考えます。

回り階段・かね折れ階段へアイアン手すりを取付ける!

仮に手の入る隙間を40㎜と設定した場合、手すりのラインはこのようになります。
(立体的なものを言語化するのが難しいっ)

壁付け手すりは手の隙間をひく
壁用手摺は手の入る隙間を引く

しっかり図面上で数字を出していますが、取り付けに伺う現場では、手すりのラインが美しく流れて見えるように感覚を優先して取付位置を調整することも。

ほかに、途中で踊り場があるケースでは一部を水平にすることもありますし、勾配をつけたままの場合もあり、それぞれに応じたプランのご提案を心がけています。

手すり取り付けには必須!「下地」について

壁付けスチール手摺を取り付ける為に下地は必須!

既製品の壁付手すりの多くは、柱の位置に合わせて留め具の位置を自由に替えられることが多いため、下地についてはそこまで重視されていませんが、アイアン手すりは事前の打ち合わせと準備が何より大切です。

下地があるかないかで見た目の美しさ(留め具位置のバランスが悪かったりなど)にも影響がありますので、充分なエリアに下地を入れていただくことをオススメします。
(手すり高を中心に200~300mmくらいの幅の下地を手すりの長さ分入れていただければ、高さを上下させたくなった時にも融通がききやすいです)

「断熱材との兼ね合いで、厚みのある下地が入れられない」と言われることもありますが、計画段階から図面でのやり取りをしておけば、写真のように必要なところにだけ下地を入れることで断熱材の量もしっかり確保することができるでしょう。

では、ここからは実際の施工例をご紹介いたします!どうぞ!

《施工例1》直階段:下から上まで / 手すり高H750

一直線に伸びたモダンでかっこいいフラットバー手摺

1〜2階と2〜3階の2箇所に、14段上がり切りでズドンと伸びたフラットバー手すり!長さはそれぞれ約3.7mでした。

この場合に注意すべきポイントは【搬入経路】です!間取りによって難しい場合もありますが、天井までの高さがあるので意外と長くても搬入できることが多いです。特にフラットバー手すりは分割すると良さが半減しますので、できるだけ一本もので何とかならないか毎回考えています。

取り付ける際にはフラットバーの性質(自重でのたわみ)も考慮して真っ直ぐ取り付けできているか確認することも大切です。

《施工例2》直階段:階段手すり〜壁手すり / 手すり高H780

直階段へ取り付けるアイアン製階段壁付け手すり

階段手摺と壁手摺を一直線上に取り付けたのがこちらのケース。直階段やかね折れ階段で、天井と干渉する場合によく制作するタイプです。

ポイントは手すり高を78㎝にしているところ。え、、階段手すりが落下防止としては少し低くない?と感じられるかもしれませんね。しかし、天井がある場合は手すり自体の高さが低くても落下の危険を感じにくいため、時には75㎝で制作することもあります。圧迫感も少なく、フラットバー手すりの抜け感が存分に活かされています♪

《施工例3》回り階段:シンプルな丸手すり / 手すり高H800

思いっきりシンプルなスチール壁付け手すり

こちらは、正方形型、いわゆるボックスタイプの回り階段へ取り付けたシンプルな丸パイプ手すりです。

スタートとエンドにアールをつけないシンプルな手すりを好まれる方は、このストレートの丸材を使った手摺をご注文頂くことが多いです。標準は21.7φ(約22㎝径)ですが、他の太さに変更も出来ます。

《施工例4》回り階段:プロヴァンス風曲線手すり / 手すり高H800

今日が優雅なプロヴァンス風壁付けアイアン手すり

こちらも同じボックスタイプの回り階段。両端にアールをつけて、豪華さを増した曲線の手すりです。

はな工房ではアールヌーボー手すりと呼んでいて、階段の種類やお客様の好みに合わせた曲線を毎回デザインしています。波の凹凸があり高さが変わるので一見使いにくそうに見えますが、滑らかな曲線は慣れてくるとすごく使い心地が良いのでおすすめです。

《施工例5》かね折れ階段:グレーの曲線手すり / 手すり高H780

優しいチャコールグレーで仕上げる壁付けスチール手摺

1〜2F・2〜3Fのかね折れ階段に取り付けた曲線手すり!黒色よりまろやかなチャコールグレーは、階段空間を柔らかい雰囲気にしてくれます。

最後に3段回る(90度)タイプと初めに3段回る2種類のかね折れ階段のうち、最後の写真(初めに3段回る)は法規に問題がないため4〜14段のストレート部分のみに取り付けました。

《施工例6》かね折れ階段:スッキリ魅せる手すり / 手すり高H770

シンプルモダンの醍醐味!壁付けフラットバー手すり

こちらは、はじめの2段が90度まわる、かね折れ階段です。お客様から2段目ではじめは水平にしたいとのご要望がありました。

セオリー通りだと、はじめの2段回りは斜めに手すりがつきます。しかしそこを水平にするとなると、コーナー部分はどうしても高さが高くなってしまうので、使いやすさ・デザイン性を考慮しながら図面を書きました。

《施工例7》特殊な回り階段:踊り場がある手すり / 手すり高H780

スッキリとした白いスチール手すりをリフォームで!

こちらはコーナー部分が2段+踊り場となっている変則的なまわり階段です。
新築したときは既製品の手すりをつけておられたお客様。ずっとメカメカしくて気に入らなかったと5年越しに階段手摺を付け替えたいとご相談いただいたのでした。

元々ついていた手摺は踊り場部分が水平だったのですが、勾配をつけようか迷っておられたのでイメージ図をいくつかご用意しました。

最終的には、ゆるめの勾配にして水平部分をつくらないパターンに決定!すっきりとした空間になりました♪

《特殊な施工例》

最後に、少し変わった壁付け手すりも紹介いたします^^

壁付け手すりを真鍮色でレトロな装い

塗料屋さんから無塗装でご依頼頂き、後日送られてきた写真を見るとゴールドに!

真鍮色よりも少しツヤを増やして色味を明るくしたそうです。塗装屋さんはやっぱりすごい!!

壁がない階段に取付ける壁付けアイアン手すり

本来であれば水平の吹き抜け手すりや斜めの手すりを取り付ける所ですが、内側の壁に壁付け手すりを取り付けたいと言うことでこのような手すりになりました!

見た目とは裏腹に、結構難しい手すりなんです!

ホワイトインテリアと合わす壁付けスチール手摺

こちらも壁の内側に取り付けた手すり!リフォーム現場です。

白を基調にされた空間に白い手すりが映えます!取付位置は壁に合わせて高さを考え、下地は柱位置を狙って取り付けました。

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実は奥が深い壁付け手すり!
手すり一つでお家の雰囲気もがらりと変わるものです。高さや使い勝手も考えた、それぞれに合う手すり選びをお手伝いします。
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